エピローグ:愛されぬ花に祝福を
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どうしてこうも、何もかもうまくいかないのか。
自分と関わった者たちは無残に死んでしまった。

ふと、親代わりだった彼女を蘇らせてみようかと思ったけれど、それも思いとどまった。
きっとこの惨状を見たら、こっぴどいどころじゃないくらい怒られるに違いないから。

何が切っ掛けだったかは分からない。
ただ単純に1億回と。
自分にかけた不死の呪い。
1億回死なないと死ねない魔法。
あの少女に咎められる為だけにかけた罰。
結局一度も殺してはもらえなかったけれど・・・。

暫くの間放心して、試しに男と少女にそっくりの人を作ってみた。
二人は理想的な結末を迎えた。
でも、その二人を見ていると、少女の言葉を思い出す。
人を作って決まったレールの上を歩かせるこの行為、本当にただの玩具遊びでしかない。
こんなことをしたら、いずれヒトを人と呼べなくなってしまう。


少年は考えた。
考えに考え抜き、悩みに悩んだ末に、一つの目的を持った。
「こんな世界ぶっ壊しちまおう」

少年が手を一振りすれば、世界はあっけなく真っ二つに割れ、崩れ落ちた。
少年が手をもう一振りすれば、『空間』という概念がその瞬間から失われた。

なんとなくそれを見てみたいと思ったから、自分は安全な所から世界の終わりを眺めていた。
けれど思った以上に世界の終わりは退屈だった。
それなりに愛着のある世界ではあったけれど、後悔を抱くことはない。
寧ろ清々する。

これでやっと、重苦しいしがらみから解放されたように感じた。


それから色んな世界を見て回った。
100回分ほどの命の間は、それなりに楽しく過ごした。
その内に、自分の名前も忘れてしまった。
故郷のことも忘れてしまった。
すると今度はだんだん生きることがつまらなくなった。

今度は思いつく限りの殺人方法を駆使して、自分を一千万回殺した。
でもそれにも飽きて、いつの間にか、ただ世界を眺めるだけになっていた。


そうしていつしか少年は、“彼女”と出会う事になる。



けれどそれは、また別のおはなし。





The story continues.
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2015/02/12 完結



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